災害時の歯磨き:非常時でも健康な口腔環境を保つために
2025.12.04
災害が発生した際、避難生活が長期化すると、歯磨きなどの日常的なケアが疎かになりがちです。
しかし、口腔ケアを怠ると、口腔内の健康が悪化し、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。今回は、災害時でも実践できる歯磨きのポイントをご紹介します。
なぜ災害時の歯磨きが重要なのか?
災害時の避難所生活では、食事が不規則になりやすく、十分な水が確保できないこともあります。その結果、以下のようなリスクが高まります
虫歯や歯周病のリスク増加
食事の後に歯を磨かないことで、歯垢が蓄積し、虫歯や歯周病の原因となります。
口臭の悪化
口腔内の汚れが溜まると、口臭が強くなることがあります。
全身疾患のリスク
特に高齢者の場合、口腔ケア不足が原因で誤嚥性肺炎のリスクが高まることがあります。
災害時の歯磨きのポイント
避難生活で水や歯磨き粉が十分にない場合でも、以下の方法を参考に、可能な限り口腔ケアを続けることが大切です。
1. 水が少ない場合の歯磨き方法
歯磨き粉を使わずに磨く
水が不足している場合、歯ブラシをそのまま使って汚れを落とす「乾磨き」を行いましょう。歯垢は物理的な摩擦で取り除くことができます。
口をすすぐ水を節約
ペットボトルのキャップ1杯分の水で口をすすぐだけでも効果があります。
2. 歯ブラシがない場合
ガーゼやティッシュを活用
ガーゼやティッシュを指に巻きつけて歯を拭くことで、歯の表面の汚れをある程度取り除けます。
お茶や水でうがいをする
お茶に含まれるカテキンには抗菌作用があるため、うがいをするだけでも口腔内の細菌を減らす効果が期待できます。
3. 携帯用の歯磨きアイテムを活用
使い捨て歯ブラシ
避難用の持ち出し袋に、使い捨て歯ブラシを入れておくと便利です。
ウェットティッシュタイプの歯磨きシート
水が不要で、歯を拭くことで汚れを取り除くことができます。
4. 食後の口腔ケアを徹底
食後は可能な限り口をすすいだり、歯を拭いたりして、汚れを放置しないようにしましょう。
甘いお菓子や糖分の多い飲み物を避けることで、虫歯リスクを軽減できます。
災害時の歯磨きのために、次のアイテムを非常用バッグに備えておくと安心です
小型の歯ブラシ
使い捨て歯ブラシ
歯磨き粉(ミニサイズ)
歯磨きシートやガーゼ
ペットボトルの水
まとめ
災害時でも、口腔ケアを怠らないことが、健康を守る重要なポイントです。
避難生活が長引いた場合でも、簡単にできる方法で歯磨きを続け、虫歯や歯周病、全身疾患のリスクを予防しましょう。
つきみ野歯科医院では、非常時の口腔ケアについてもアドバイスを行っています。お気軽にご相談ください!

執筆者
つきみ野歯科医院
院長
2004年神奈川歯科大学歯学部 卒業。
2011年からつきみ野歯科医院に勤務して以来、地域の皆様の”歯の健康”をお守りしてまいりました。
スタッフブログでは当院の診療内容についてや、スタッフ、医院の様子なども楽しく更新していきますので、 ぜひ御覧ください。





