歯はどれくらい硬いのか? 〜驚くべき歯の強さと個人差〜
2025.06.24
毎日何気なく使っている「歯」ですが、実は体の中で最も硬い組織であることをご存じでしょうか?
歯は食べ物を噛み砕く大切な役割を担っており、私たちが一生使い続けるために驚くほどの強度を持っています。しかし、歯の硬さは個人差があることも重要なポイントです。
つきみ野歯科医院では、患者様の歯の健康を長く維持するために、歯の強度や耐久性を考慮したケアや治療法をご提案しています。今回は、歯の硬さについての基本情報と、それに影響を与える要因について詳しく解説します。
歯の硬さはどれくらい?
歯の表面を覆うエナメル質は、体の中で最も硬い組織といわれています。
では、実際にどのくらい硬いのでしょうか?
1. モース硬度(鉱物と比較)
物の硬さを表す「モース硬度」という尺度で見ると、歯のエナメル質は硬度5〜6に相当します。
これは以下のようなものと同じくらいの硬さです。
物質 モース硬度
チョーク(石膏) 2
鉛筆の芯(黒鉛) 2
ナイフの刃 5
エナメル質(歯の表面) 5〜6
ガラス 6
石英(水晶) 7
ダイヤモンド 10
このように、エナメル質はナイフの刃と同じくらいの硬さがあり、ガラスにも匹敵するほどの強度を持っています。
つまり、普通の食べ物で歯がすり減ることはほとんどなく、歯が欠けたり削れたりするのは「摩耗」や「外的な力」が影響しているのです。
歯の硬さには個人差がある!
「歯は硬い」とはいっても、実は個人差があり、人によって硬さが違うことをご存じでしょうか?
歯の硬さを左右する要因には、以下のようなものがあります。
1. 遺伝によるエナメル質の厚みの違い
エナメル質の厚さは個人差があり、生まれつき薄い人もいれば厚い人もいます。
エナメル質が薄いと、酸や摩耗の影響を受けやすく、歯が削れやすい傾向があります。
2. 生活習慣(食事や飲み物の影響)
✅ 酸性の飲食物(炭酸飲料・柑橘類・酢など)を多く摂取すると、エナメル質が溶けやすくなる
✅ 歯ぎしりや食いしばりがある人は、歯の摩耗が早い
✅ フッ素を適切に取り入れている人は、エナメル質の強化が期待できる
3. 年齢による変化
若いころはエナメル質がしっかりしていても、加齢とともに摩耗し、象牙質(エナメル質の下の層)が露出することがあります。
象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、年齢とともに歯が削れやすくなるのです。
4. 歯の修復歴(詰め物・被せ物の影響)
✅ 詰め物や被せ物が多い歯は、天然歯と比べて強度が異なることがある
✅ 噛み合わせの影響で、一部の歯に負担がかかりやすい場合も
硬い歯でもダメージを受けることがある!
どんなに硬い歯でも、適切なケアをしなければダメージを受けることがあります。
❌ 歯が削れたり、欠けたりする原因
⚠️ 酸蝕症(さんしょくしょう):酸性の飲食物によるエナメル質の溶解
⚠️ 歯ぎしり・食いしばり:歯の摩耗やひび割れの原因
⚠️ 過度な歯磨き:強くこすりすぎるとエナメル質が削れる
⚠️ 硬い食べ物の影響:氷を噛んだり、硬いお菓子を噛むことで歯が欠けることも
つきみ野歯科医院では、こうした歯へのダメージを防ぐためのケア方法をお伝えしています。
✅ 酸性の飲食物を摂取した後は、水やお茶で口をすすぐ
✅ 歯ぎしりがある方は、マウスピースを使用する
✅ 優しい力で歯磨きをし、フッ素入りの歯磨き粉を使用する
✅ 定期検診で、歯の摩耗具合をチェックする
まとめ
🦷 歯のエナメル質は、体の中で最も硬い組織!
🦷 モース硬度では「ナイフの刃」と同じくらいの強度がある
🦷 歯の硬さには個人差があり、遺伝や生活習慣が影響する
🦷 硬い歯でも、酸や摩耗の影響を受けるため、適切なケアが必要!
「自分の歯はどのくらい強いの?」「最近、歯が削れている気がする…」
そんなお悩みがある方は、ぜひつきみ野歯科医院までご相談ください。
一人ひとりの歯の状態に合わせた、最適なケア方法をご提案いたします!

執筆者
つきみ野歯科医院
院長
2004年神奈川歯科大学歯学部 卒業。
2011年からつきみ野歯科医院に勤務して以来、地域の皆様の”歯の健康”をお守りしてまいりました。
スタッフブログでは当院の診療内容についてや、スタッフ、医院の様子なども楽しく更新していきますので、 ぜひ御覧ください。