口腔ケアで全身の健康を守りましょう~感染予防・認知症予防・糖尿病予防にもつながる大切な習慣~
2025.10.29
こんにちは。つきみ野歯科医院です。
「お口のケアは歯のためだけ」と思っていませんか?
実は、口腔ケア(こうくうケア)は全身の健康維持に欠かせない生活習慣です。
口腔ケアを行うことで、細菌の増殖を抑え、感染症や生活習慣病のリスクを下げるだけでなく、
「話す」「食べる」「飲み込む」といった口腔機能の維持・向上にもつながります。
ここでは、口腔ケアがもたらす7つの健康効果をご紹介します。
① 誤嚥(ごえん)性肺炎を予防する
お口の中には、常にたくさんの細菌が存在しています。
高齢になると飲み込む力(嚥下機能)が低下し、唾液や食べかすと一緒に細菌が肺に入ってしまうことがあります。
これが「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」の原因です。
口腔ケアで細菌の数を減らすことで、誤嚥性肺炎の予防効果が期待できます。
特に高齢の方や寝たきりの方にとって、毎日の口腔清掃は非常に重要です。
② 脳を刺激して認知症・老化を予防
「口を動かすこと」は、実は脳を活性化させる行動でもあります。
会話をしたり、しっかり噛んで食事をすることで、脳の血流が良くなり、
認知機能の低下や老化の予防につながるといわれています。
また、口腔ケアを習慣化すること自体が生活リズムの安定にもつながります。
③ 栄養吸収が良くなり、低栄養を防ぐ
歯や歯肉の状態が悪いと、硬いものや繊維質の多い食品を避けがちになります。
その結果、タンパク質やビタミンなどの摂取量が減り、低栄養(栄養不足)に陥ることがあります。
口腔ケアによって咀嚼力や嚥下力が改善されると、しっかり食事を楽しめるようになり、
栄養バランスの良い食生活を送ることができます。
④ 唾液の分泌を促し、お口の自浄作用を高める
口腔ケアを行うことで、唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。
唾液には自浄作用(口の中をきれいに保つ働き)があり、
細菌の繁殖を抑える、食べかすを洗い流す、虫歯を防ぐなどの重要な役割を果たします。
お口が乾燥しやすい方は、こまめな水分補給や口腔マッサージもおすすめです。
⑤ よく噛めるお口を維持し、認知症を予防
歯を失うと、噛む回数が減り、脳への刺激が少なくなります。
噛むことは「第二の脳トレ」とも呼ばれ、脳の働きを活発にする効果があります。
よく噛めるお口を維持することは、認知症予防にもつながるといわれています。
入れ歯や被せ物の不具合を放置せず、しっかり調整することが大切です。
⑥ 心疾患(心臓病)の予防
歯周病と心臓病には深い関係があります。
歯肉の炎症や出血を放置すると、歯周病菌が血液に入り込み、
動脈硬化や心筋梗塞、狭心症のリスクを高めることがわかっています。
口腔内の炎症をコントロールすることは、心臓の健康を守ることにもつながります。
⑦ 糖尿病の予防・悪化防止
歯周病菌が血中に入ると、インスリンの働きを妨げて血糖値を上げやすくなるとされています。
また、歯肉の炎症は糖尿病を発症・悪化させる原因の一つでもあります。
一方で、歯周病の治療を行うことで血糖コントロールが改善するという研究結果もあります。
歯科と内科が連携して管理することがとても大切です。
🌸まとめ:お口のケアが健康寿命をのばす鍵
口腔ケアは、「お口をきれいにする」だけでなく、
感染予防・生活習慣病予防・認知症予防など、多方面に効果をもたらします。
毎日のセルフケアに加えて、
歯科医院での定期的なクリーニングとチェックを受けることで、
お口と体、両方の健康を守ることができます。
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